仕事を辞めて地元を離れ、ギターひとつ背負いに20歳で上京、ひたすら練習のかたわらで路上ライブやコンクール出場など、重ねたひた向きな努力がYouTubeにて花開いています。
この記事では、プロのジャズギタリストとして演奏者・講師としてオンライン・オフラインで活躍する宇田大志さんの音楽家としての経歴やYouTubeの動画の内容について紹介します。
宇田大志とは?
ジャズギタリストとして演奏者としてだけではなく、講師としてもオンライン・オフライン問わず活躍しているミュージシャンYouTuberです。2012年4月から動画投稿を開始して、現在は387本の動画を投稿、ギター専門の内容にもかかわらずチャンネル登録者数6.3万人と1,191万回の総視聴数を誇っています。
投稿頻度は2年間で20本少々とスローペースながら、練習・雑談・飲み生放送。日常・撮って出し動画を投稿しているサブチャンネル『宇田大志の楽屋』も2017年9月より運用しています。
宇田大志の経歴、運営ブログ、教則本について
宇田大志(うだ たいし)さんは1986年生まれ岐阜県出身のジャズギタリストです。各務原市という自然に恵まれた土地に生まれ育ち、小さい頃は近くの川で魚釣りにハマっていたそうです(どこか魚好きな一面があるらしく、高校生の時は熱帯魚を飼育していたとのこと)。
家族はみな音楽に無頓着だったようですが、中学1年生の時に日本社会にバンドブームが到来して、テレビ越しに見るGLAYやL'Arc-en-Cielの演奏に感銘を受けて、ギターを弾きたいと心を突き動かされたそうです。
付録のポスターが欲しくて購入したギター雑誌「バンドやろうぜ」や「超絶ギタリスト養成ギプス」の通販広告に載っていた29,800円のギターセットが目に留まり、母親にクリスマス・お正月・誕生日プレゼントを全て返上する代わりに買い与えて貰ったそうです。
中学生の経済力では良質なレッスンを受けたりスコアを手に入れることに苦労したそうですが、X JAPANやDragon Ashなど様々なバンドの魅力に魅せられ、モチベーションを保ち続け、雑誌の教則ページを穴のあくほど繰り返し見るなど一生懸命に学びました
(当時、X JAPANの紅を弾けるか弾けないかが、所属していたギターコミュニティの優劣を分ける線引きだったらしく、紅を弾きこなすために特に頑張った練習したとのこと)。
中学卒業後の進路を選ぶ段階で、将来もギターを末永く続けたいと漠然とイメージを描いており、高校はバンド仲間を探す目的で選び、岐阜県立岐阜工業高等学校に入学しました。念願のバンドを結成して、青春パンクのコピーバンドやオリジナルを演奏していました。
当時は授業中にも関わらず、MDウォークマンを机の引き出しに忍ばせ、イヤホンをシャツの中から潜らせておなかから左袖に通し、肘をついて頭を支える振りをして音楽を聴くなどヤンチャな学生生活を過ごしていたそうです。
そして16歳の時の写真も出てきた。
— 宇田大志 (@shiitadau) 2018年3月10日
SABOTENのバンドT着て、オービルの黒レスポールを低く構えて、横山健の真似してピックアップセレクターにはガムテープ。今思うとギター全然弾けてなかったけど、この頃すごくギターが楽しかった。ギターの楽しさって技術とは関係ないんだな~。 pic.twitter.com/NxgGvIeR8n
高校を卒業した後は、車メーカー最大手TOYOTA系列の車両製作工場に勤務します。ライン作業を1年間した後に、保全という製作機械の保守を行う部署に入り、1日10時間以上立ちっぱなしで機械の様子を見守る辛い仕事をしていたそうです(おかげで今は新幹線に1、2時間立つことは屁でもないとのこと)。
繁忙期に入社したという悪いタイミングもあり、長時間残業などを強いられ次第に「このまま一生この仕事を続けるは嫌だ」と理想の未来を考えるようになり、趣味で続けていたギターを本格的に職にしようと決意して仕事を退職、ギターを背負い上京に踏み切りました。
東京スクールオブミュージック渋谷専門学校にて音楽の基礎を徹底的に学びました。ポップスをメインとしていたそうですが、この時にバリバリのインストを聴いて衝撃を受けたようです。以降は徐々に現在メインでやっているJAZZへと流れていきました。また、ジャズクラブ御茶ノ水NARUでアルバイトをされていました。
22歳で完全にジャズギターへ転向、以降はストリートライブや日本を代表するジャズギタリスト宮之上貴昭氏に師事を受けるなど研鑽を積み続けた結果、第32回浅草ジャズコンテスト、ソロプレイヤー部門金賞受賞、2015年 GIBSON JAZZ GUITAR CONTEST 準グランプリなど、ギタリストとして輝かしいスポットライトを浴びました。
もともとは音楽系SNSのMySpaceやSoundCloud にて音源配信をしていましたが(音源のみ)、映像の時代を感じてお試し気分でYouTubeにライブ動画を投稿したそうです。一生懸命準備して演奏するもお客さんが極少の時もあるし、ライブ後に消えてしまう儚さを感じて、形として残し続けたいという気持ちがありYouTubeにライブ動画を投稿したのが始まりでした。
徐々にチャンネルの存在感の高まりを感じて、レッスンの生徒募集の宣伝も兼ねてYouTube配信を続ける中で動画配信ブームが到来、自身も波に乗りチャンネル登録者数・再生回数を伸ばしていき、現在はギターにまつわる多様なジャンルの動画を出すようになりました。中でもレッスン動画は大きな公表を得ており、ついには技術指導の腕を買われ書籍の出版にまで至りました。
なお、好きな(一番聴いている)ジャズギタリストはLage Lund、Gilad Heks,elman、Jim Hall。演奏前は手を洗う週間があり、好みは手がサラサラになるキレイキレイの泡タイプとのことです。また、ジェットスキー免許を保有しているそうです。
宇田大志の動画内容は?
ジャズギタリストによるギター指南や音楽理論についての講義がメインです。機材、スコア、弾き方、メンタルなどなど内容が多岐に渡るので初心者にも上級者にもオススメです。
初期は専ら顔出しがない形でライブ映像を配信していました。その後は技術解説の動画やお酒を飲みながらお話して話す「飲みトーク」番組など、8年以上のチャンネルの歴史の中で変遷を繰り返しています。
宇田大志のオススメ動画は?
ギター指南「ギタースケール」
視聴者からの質問に答える形のレッスン動画です。「お金を取ってもいいレベル」とコメント欄で称賛される程、分かりやすさが凝縮された動画です。
本人曰く「ポジションを覚えるだけではなく、それぞれの度数(インターバル)を把握しないといけません。これができる人とできない人とでは大きな差が生まれます。」とのこと。
とってもセクシーな本気のソロギター演奏
2015年11月時点のJAZZギターソロ演奏の様子です。 ライブで枯葉(Autumn Leaves)をソロで弾いています。全てアドリブとのことで最初から最後までインテンポで演奏しています。
色気たっぷりで引き込まれますし、音がきれいすぎて思わず聞き入ってしまいます。話す動画と演奏する動画で表情が全く異なりギャップがとってもカッコイイです。
宇田大志のまとめ
宇田大志はこんな方にオススメ!
- ギターを学んでいる方
- ジャズが好きな方
- ミュージシャン好きな方
このチャンネルはハッキリいって音楽・ギターに興味のない方は見なくても宜しいかと思いますが、ギターが好き・バンドが好き・ジャズが好きという方は逆に視聴必見の動画が多数ありますので、ぜひぜひご覧頂ければと思います。
落ち着いた雰囲気ながらもトークは分かりやすく内容も面白く、個性・人柄も人気の理由のひとつです。音楽をやっていない方もサブチャンなどでトーク動画を一度覗いてみてください。
以上、ジャズギタリストYouTuberの宇田大志さんの紹介でした。音楽・ギターを無料でこれだけ良質な指南を受けられるとはYouTubeとはつくづく凄いプラットフォームだと思い知らされました。このチャンネルがギターをやっている多くの方の目に留まり、音楽人生を少しでも豊かなものにしていただければ幸いです。
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